「格付けミーム」って何?
「格付けミーム」の元ネタや背景を知りたい!
結論から言うと、中国の人気クリエーター「星有野」氏の制作した動画内に登場する擬人化された異なる性格や立場の動物たちを、さまざまな格付けテーマに当てはめて楽しむという、2024年12月頃流行したミームです。
この記事では、「格付けミーム」の元ネタの由来やバズった理由、似てるミームやスラングなどを解説します!
ぜひ最後までお読みください。
「格付けミーム」元ネタの由来
中国の人気クリエーター「星有野」氏が2020年に作成し、ネットに投稿したショートムービー
元となっている動画は、2020年8月に1999年生まれの中国の人気クリエーター「星有野」氏によって、中国の動画共有サービス「bilibili」に投稿された「小老弟,哥们混街溜子时候你还没出生呢」という作品です。
その後、2023年にはYouTubeに投稿され、現在までに57万回再生されています。
星有野氏は、ライオンやニワトリなどの擬人化された動物が登場するショートムービーを作成しており、中国の男性を中心にファンを集めています。
日常あるあるをテーマにした動画が多く、そこに登場する動物に自分を重ね合わせて共感しながら観る人が多いようです。
この動画が使用されたのは1度目ではなく、2021年4月にも使用され話題になった
実は、この星有野氏の動画が使用されて話題になったのは今回が1度目ではありません。
2021年4月に、YouTube上で「杏チャンネル」が投稿した、人気ゲーム「APEX-LEGENDS-」内でのプレイヤーランクをそれぞれの動物に当てはめ強さの順位を表した「APEX格付け」という動画が話題になりました。
同動画は、プロゲームプレイヤーRas選手がコメントをしたことでも話題となり、「APEX-LEGENDS-」のゲームファンを中心に現在までに801万回再生されており、2024年に流行した格付けミームの元となっています。
2024年12月、X上で拡散され話題となった
最初に投稿された動画は特定できませんが、2024年12月にXを中心に拡がり始め、その後TikTokやYouTubeへと拡がっていきました。
また、日本で流行した格付けミームに類似した動画として、ニュージーランドのインフルエンサー「Torrell Tafa」氏が投稿した動画が挙げられます。
これは、暴力的かつ威圧的な態度で道を歩く男性が、目の前から来た自分よりガタイの良い男性たちの前では怯んで即座に道を譲ったり隠れたりするという内容になっています。
こちらは海外で話題となり、多数使用されたことで、格付けミームの更なる流行に繋がりました。
「格付けミーム」が「X」でバズった理由!どうしてそんなに流行ったの?
「格付けミーム」が「X」でバズった理由は以下の3つです。
誰でも気軽に投稿できる
格付けミームでは、すでにできあがっているショートムービーを使用しているので、あとは、自分が作成したい格付けのテーマを決め、そのテーマに沿った名称をそれぞれの動物に当てはめて表示させるだけで動画が完成します。
画像を切り貼りしたり、音声を入れたりして、自分で0から作り上げていくのとは異なり、完成された動画に名称を入力し表示させる方法さえ覚えれば、誰でも短時間で気軽に作成できるため、動画投稿など今まですることがなかった人でも「自分にもこれくらいならできそう」と感じられることで、拡がっていきやすかったのではないかと推測されます。
動物の性格や立場の違いが分かりやすいので自分が決めたテーマに当てはめやすい
たとえば、身近な人をテーマにしたい場合、暴力的でイキっているライオンには、力が強いだけで実は小心者の人を当てはめる。
面倒なことに巻き込まれたくないので問題を見て見ぬフリをするハトには、何かトラブルが起きていても解決に協力しない人や特に他者と関わろうとしないモブ的立ち回りの人を当てはめる。
このように、動画内に登場する動物たちは、性格や立場の違いが明確に分かるので、作成者自身にとって身近な人や物、テーマを思い浮かべながら、「こういう場所にいるこういう人がそれに当てはまる」「○○はハトくらい弱いけど△△はニワトリ並に強い」というふうに名称を当てはめていきやすくなっています。
身近なテーマで作るので共感を呼びやすい
話題になっている格付けミームを見ると、自分が住んでいる都道府県の市をテーマにしたものや、職業別の言われてイラっとする言葉、日焼け止めなどの商品の比較やアーティスト別のライブで流れるとテンションの上がる曲など身近なテーマがほとんどです。
身近なテーマを取り上げているので、その地域に住んでいる人やその職業の人、そのアーティストが好きで実際にライブに行ったことがある人など、同じ境遇の中にいたり過去に同じ経験をしたことがあったりする人たちなどの目に留まることで親近感がわいたり、共感を呼んだりして広まっていきやすかったのだと考えられます。
「格付けミーム」元ネタの使い方と使用例
「格付けミーム」は、人や言葉、曲、地域など身近なテーマについて、1番弱いハトから1番強いニワトリにそれぞれその格に見合った名称を当てはめていき、順位付けしていくという使い方をします。
使用例としては、テーマが「看護師がイラっとする言葉」 であれば、格付け順位が最も低いハトには「ナース服〇っろ!」という言葉を当てはめます。
強さ的に2番手のライオンには「夜勤って楽でしょ?」、ライオンについて回る3番手のドーベルマンには「給料高いじゃん」という言葉を当てはめ、1番強いニワトリには「夜勤明けって休みでしょ?w」という言葉を当てはめます。
このように、看護師である作成者にとって、他人に言われたらイラっとしてしまう言葉をランク付けて表現します。
「格付けミーム」元ネタに似てるミームやスラング
APEX格付け
この格付けミームが流行する前、2021年4月に同動画を使用して作成され、人気となった「APEX格付け」があります。
ゲーム「APEX-LEGENDS-」関連の動画投稿をしている杏チャンネルに投稿され、現在までに801万回再生されています。「APEX-LEGENDS-」のプレイヤーランクをそれぞれの動物に当てはめて、強さの順位を表した動画です。
最も強いニワトリには、プロゲーミングチームCrazy Raccoonの「APEX-LEGENDS-」部門に所属するRasさんを当てはめており、本人が動画にコメントを残したことでより多数の反響を集めています。
猫ミーム


猫ミームは、踊ったり鳴いたりする猫、ヤギや犬などの画像やGIF素材を組み合わせ、耳に残るキャッチーな音源と合わせて作られた動画であり、2023年~2024年にTikTokで爆発的に流行しました。
日常生活の中で起こったことや、過去に起こった出来事などをテーマにしており、それをかわいらしくユーモラスたっぷりな動物たちと愉快な音源によって表現していることで、他者の実体験を堅苦しくなく、気軽に見ることができるため親しみやすさを感じます。
動画の内容によっては、自分の経験と照らし合わせながら見る人も多く、格付けミームと同様に、共感を覚えやすいと言えます。
エッホエッホ


エッホエッホは、2025年上半期に流行したミームです。
オランダの写真家ハニーへーレ氏が2021年5月に撮影した写真が元になっており、一生懸命草むらを走るメンフクロウの赤ちゃんが、まるで「エッホエッホ」と言って急いでいるように見えることから、その言葉と共に広がっていきました。
最初は画像と「エッホエッホ」という言葉のみでコラ画像が作られ拡散されていましたが、シンガーソングライターのうじたまいさんが「エッホエッホの歌作ってみた。」という動画をSNSに投稿したことで、曲中に出てくる「〇〇って伝えなきゃ」という構文に豆知識を当てはめて歌ったり、元の音楽に合わせてダンスを踊ったりして動画を投稿するというミームが流行しました。
格付けミーム同様、元の形があるので簡単に誰でも動画を作成できることや、リズミカルな音楽にのせて、豆知識を伝えるというスタイルが印象にも残りやすいため親しみやすさがあります。
「格付けミーム」の元ネタについてのよくある質問
元動画はなに?
「格付けミーム」の元動画は、1999年生まれの中国の人気クリエーター「星有野」氏が2020年8月にbilibiliに投稿した「小老弟,哥们混街溜子时候你还没出生呢」というショートムービーです。
動画内に登場する擬人化された動物たちの行動が、人間関係をリアルに表しているようで共感を呼び、話題になりました。
その動画を利用し、ユーザー自身が自由にテーマを決めて、動物たちにさまざまな役割を持たせて再投稿することで、同じ境遇の中にいる人や、同じ経験をしたことがある人たちの間で「あるある!」と共感を呼び、さらに拡がっていきました。
どんなテーマで作るの?
テーマとなるのは、地域や職業あるある、スポーツチームやアーティストのライブで盛り上がる曲など、ユーザーにとって身近なものであることが多いようです。
ユーザー自身が、日常生活の中で感じている順位や役割をテーマにして、それぞれの動物の性格や立場に重ね合わせていきます。
職業あるあるであれば、職場での立場の順位やその職業に就いている自分が他者に言われて嫌だった言葉の順位。
他にも、自分の好きなアーティストがいれば、ライブに行った際にファンが1番盛り上がっていた曲を順位付けて当てはめるなど、身近で親しみやすく、共感を呼びやすいテーマが多く見られます。
格付けってなに?
格付けとは、物や人を比べてランク付けをすることです。
たとえば、ミシュランガイドにおいて、レストランをミシュランが審査して「一ツ星・二ツ星・三ツ星」と星でランク付けしていきます。
それは、まさに食の世界における格付けと言えます。
他にも、スーパーマーケットを「高級・普通・安い」と自分の中でランク付けて買い物をしたり、ゲームのキャラクターを「強い・普通・弱い」とランク付けて場面によって使い分けたり、日常生活の中で誰もが無意識のうちにランク付け=格付けを行っています。
格付けミームの世界では、動物の立場を「強い・普通・弱い」というランクに置き換えて、格付けを行っています。
なぜニワトリが最も強いことになってるの?
格付けミームの動画には、ライオン、ドーベルマン、ニワトリやハトが登場します。
弱肉強食の世界においては、この中で、噛む力が強く体の大きなライオンが最も強く、雑食で長く飛ぶこともできないニワトリは最も弱いと言えます。
しかし、ここではニワトリが最強の動物として描かれており、そこには人間社会への風刺が込められています。
動画内では、ライオンやドーベルマンは見た目が恐ろしく、態度が大きいため一見強いように思えますが、ニワトリは冷静沈着な様子で真っ向からそれらの動物に立ち向かっていき勝利します。
現実の人間社会においても、表面上の強さで威張っていたり調子に乗っていたりする人よりも、結局は、落ち着いて冷静な判断ができる人の方が本当に強いと言えるというメッセージを込めたいという思いから、物理的な能力は最も弱いと思われるニワトリを最も強い動物として位置付けたのではないかと推測されます。
どういう意味で使うの?
格付けミームは、ユーザー自身が日常生活の中で感じる順位や立場の違いを面白おかしく皮肉的に表現するために使ったり、単純に物の有効性や人の強さの順位を表現するのに使ったりと、さまざまな意味を持たせることができます。
ある商品をテーマにしたものあれば、複数の似た商品を比較して、どの商品が最も優れているのかということを簡単に示すことができます。
また、職場内における苦手な人など、皮肉的な意味を持たせたいテーマであれば、それぞれの動物を1番苦手な人から特に気にならない人というように当てはめていくことで、自分にとってどんな人がいちばん苦手なのかを示すことができます。
「格付けミーム」の元ネタまとめ
「格付けミーム」とは、2024年12月頃X上で流行したミームです。
中国の人気クリエーター「星有野」氏が作成した動画に登場する、異なる性格や立場の擬人化された動物を、さまざまなテーマに当てはめて自分の中での格付けを表現して楽しむというものです。
言われてイラッとする言葉や好きなアーティストのライブで歌ったらテンションの上がる曲など、同じ境遇の中にいたり、同じ経験をしたことがあったりする人たちからの共感を呼びやすい身近な内容であること、また、すでに完成している動画に名称のテロップを入れるだけで完成するので、誰でも気軽に作ることができるという点から拡がりを見せたのではないかと推測されます。

