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「江戸走り」の元ネタとは?由来やバズった理由を徹底解説!

「江戸走り」の元ネタとは?由来やバズった理由を徹底解説!

「江戸走り」ってなんで急にバズったの?

TikTokでよく見かける「江戸走り」って何?

結論から言うと、TikTokやX(旧Twitter)で大バズりしている「江戸走り」とは、江戸時代の武士や町人が行っていたとされる、体を半身にして走る独特な走り方のことです。

この記事では、「江戸走り」の元ネタの由来やバズった理由、似てるミームやスラングなどを解説します!

ぜひ最後までお読みください。

目次

「江戸走り」元ネタの由来

まずは由来を解説します。

大場香門さんの10年以上にわたる研究

「江戸走り」の生みの親は、研究者である大場香門(おおば・かもん)さんです。

この研究は、大場さんが2013年頃に100kmマラソンに挑戦した際、膝を痛めてしまったことがきっかけで始まりました。

現代の西洋式の走り方(かかとから着地し、筋肉に頼る走り方)に疑問を感じた大場さんは、「怪我をせずに遠くまで速く走る方法はないか?」と考え、古来の日本の走り方を調べ始めました。

そして、なんと10年以上もの長い期間をかけて、江戸時代の文献を読み解き、走法を再現し続けています。

この真剣な研究が、いま若者たちの間でミームとして親しまれているというギャップが面白いポイントです。

単なるネタではなく、深いルーツがあることが、多くの人を惹きつけています。

彼の地道な努力と情熱が、このブームの土台となっています。

古文献や浮世絵から再現された「神足歩行術」

大場さんは、国立国会図書館などに足を運び、古い文献を収集しました。

その中で発見したのが、江戸時代の走法の一つとされる「神足歩行術」(しんそくほこうじゅつ)という技術です。

これは、現代のランニングとは全く異なり、重力をうまく使い、全身の力を抜いて転び続けるような感覚で走るのが特徴です。

また、当時の走り方を視覚的に確認するために、菱川師宣の「吉原の躰」などの浮世絵も資料として活用しました。

浮世絵に描かれている人物の、体を半身にして、手を横に広げたような独特の姿勢を参考に、実際に自分の体で試行錯誤を繰り返しながら、この「江戸走り」を現代に蘇らせたのです。

この歴史的な根拠と、実際に再現できる面白さが、Z世代の知的好奇心を刺激しました。

膝の怪我をきっかけに始まった独自の挑戦

大場さんの研究は、スポーツ選手がよく直面する膝の怪我という個人的な悩みからスタートしています。

現代のスポーツ科学で解決できない問題を、あえて歴史の中に求めるというアプローチが非常にユニークです。

江戸時代、飛脚は1日あたり100kmから200kmもの距離を走っていたとされます。

これは現代の感覚からすると信じられないような距離です。大場さんは、彼らが使っていたであろう「疲れない走り方」を再現することで、現代のランナーの怪我予防やパフォーマンス向上に役立てたいと考えています。

このように、真剣な健康法や身体技法としての側面を持っているからこそ、単発のバズで終わらず、「#江戸走り界隈」として独自のコミュニティが形成されるほど、多くの人が夢中になっていると言えます。

「江戸走り」がTikTokでバズった理由!どうしてそんなに流行ったの?

続いてはバズった理由を解説していきます。

動画映えする「インパクト」と「ギャップ」

「江戸走り」がTikTokで爆発的に流行した最大の理由は、その見た目のインパクトとギャップの面白さです。

腕を横に曲げて広げ、体を半身にして走るその動きは、現代の私たちが普段見慣れている走り方と全く違うため、動画で見た瞬間に「何これ!?」と目を引きます。

特に、TikTokでは、おしゃれな場所や、真面目なスポーツの場面で急に「江戸走り」に切り替える動画が人気です。

この「真面目な状況」と「コミカルな走り方」のギャップが、見る人に笑いや驚きを与え、コメント欄で大喜利のような反応を生み出しました。

また、KANA-BOONの「シルエット」など、カッコいい曲に合わせてダンス動画かと思いきや、急に江戸走りに切り替えるネタも定番化し、シェアしやすい動画ネタとして拡散されていきました。

誰でもすぐに挑戦できる「低難易度チャレンジ」

TikTokで流行するミームやチャレンジは、「真似しやすいかどうか」が非常に重要です。

「江戸走り」は、特別な道具や高い運動能力が一切いりません。

腕を横に広げて、半身で走るというシンプルな動作なので、運動神経に自信がない人でも、お年寄りでも、すぐに形だけなら真似できてしまいます。

この「やってみよう!」と思わせるハードルの低さが、爆発的な参加者を生みました。

多くのユーザーが、日常生活の中の何気ないシーンで江戸走りを試す動画を投稿し、「#江戸走り界隈」というハッシュタグで盛り上がりました。

このように、場所を選ばず、年齢や体力を問わずに楽しめる「参加型ミーム」だったことが、ショート動画の総再生回数が1億回以上に達するほどの大きなブームになった理由です。

アニメの走り方に似ている「共通点」

「江戸走り」が若者に受け入れられた背景には、彼らが親しんでいるアニメや漫画の文化との共通点もありました。

特に人気アニメ『鬼滅の刃』のキャラクター(例えば、鱗滝左近次など)や、他の忍者アニメなどにも、前屈みで腕を大きく振らない、独特なフォームで走る描写がよく見られます。

この「江戸走り」のフォームは、そうしたアニメキャラクターの走り方と非常に似ているため、「あの走り方は本当に実在したのか!」という興奮や発見が、アニメファンを中心にブームを後押ししました。

歴史的な研究に基づいた走法が、現代のサブカルチャーと結びついたことで、「かっこいい」「面白い」という二重の魅力を持つようになり、単なる一過性のネタではなく、文化的な興味の対象としても注目されることになりました。

「江戸走り」元ネタの使い方と使用例

「江戸走り」は、体を半身(横向き)にし、腕をリラックスして横に曲げて広げ、つま先で地面を捉えながら移動する走り方です。

江戸時代の武士や飛脚が疲労を抑え、長距離を速く走るために使っていたとされる身体技法を、現代に再現したものです。

SNSでは、この走り方を突然行うネタ動画や、真剣な走りの練習として取り入れる様子を投稿する際に使われます。

以下のように使います。

「江戸走り」元ネタの使用例1

@opanchuusagii0

半身で横に走る。江戸時代の走り方⁡@katsunori_oba 師匠リスペクトしてます🙇‍♀️🚶🏃⁡

♬ オリジナル楽曲 – katsunori_oba – katsunori_oba

「江戸走り」の仕方を詳しく説明する動画などでも、数多く使用されています。

「江戸走り」元ネタの使用例2

@tatty_ryutty

ナルトダンスかと思ったら江戸走りだった… #江戸走り界隈

♬ ナルト江戸走り – たってぃ

ナルトダンスかと思いきや、「江戸走り」!のような使用方法もあります。

「江戸走り」元ネタの使用例3

「みんなで…江戸走り~🐴」のように著名なキャラクターなども使用しています。

「江戸走り」元ネタに似てるミームやスラング

似ているスラングやミームを解説します。

ナンバ歩き/ナンバ走り

「ナンバ歩き」や「ナンバ走り」は、「江戸走り」と非常に近いルーツを持つ日本の古来の身体技法です。

「ナンバ」とは、同じ側の手と足を同時に出す歩き方・走り方のことを指します。

現代の一般的な歩き方(右手と左足、左手と右足が一緒に出る)とは真逆の動きです。江戸時代の飛脚や武士は、このナンバの動きをしていたと考えられています。

この動きは、体のねじれを少なくし、体幹を安定させる効果があり、疲労しにくいとされています。

「江戸走り」も、体を半身にして走ることで、ナンバの動きに近い形になるため、原理としては共通しています。

SNSでは、江戸走りが流行る前から、ナンバ歩きも健康法やユニークな移動法として話題になることがありました。

江戸走りのように「日本の伝統的な身体の使い方」という共通のテーマでバズったミームと言えます。

ナンバは体の構造的な動き、江戸走りはその動きを応用し、よりスピードを出すための特定のフォームと考えると分かりやすいでしょう。

忍者走り(ナルト走り)

「忍者走り」とは、主に漫画やアニメ『NARUTO -ナルト-』に登場するキャラクターの独特の走り方のことです。

上半身を前に大きく倒し、腕を後ろに組むようにして固定して走るフォームが特徴です。

これも現代のランニングとはかけ離れたユニークな走り方で、特に海外のコスプレイヤーやTikTokerの間で、真似して走るチャレンジ動画として大流行しました。

「江戸走り」の動画の中には、ディズニーランドなどで「ナルト走りをしているのかと思ったら、急に江戸走りに切り替わった」というようなネタ投稿があるほど、若者にとっては身近なミームです。

両者の共通点は、「実用性」よりも「見た目の面白さ」「真似しやすさ」「非日常感」が動画映えしてバズった点にあります。

どちらも、アニメや歴史など、現実とは少し違う世界観を持つ走法が、現代のSNS上で融合した好例と言えます。

特に「江戸走り」は、この忍者走りに似たフォームを日常に取り入れるギャップが、ミームとして急速に拡散した大きな要因の一つです。

アヒル歩き(ダックウォーク)

「アヒル歩き」(またはダックウォーク)は、しゃがんだ状態で、足を外側に向けてペタペタと歩く動作です。

これは、ロックンロールのギタリストがステージ上で行うパフォーマンスとして有名になりましたが、SNS上ではコミカルな移動手段として真似されることがあります。

このミームが「江戸走り」と似ている点は、「日常ではありえない、異様な移動フォーム」が動画映えし、視聴者に笑いや「何やってんだ」というツッコミを誘う点です。

どちらも、真面目な顔をして独特の動きをすることで、ギャップの面白さを生み出しています。

また、アヒル歩きも江戸走りも、ある程度の体幹やバランスが必要で、「簡単そうに見えてやってみると難しい」というチャレンジ要素があるため、ユーザーが試して投稿するモチベーションにつながりやすいという共通点もあります。

SNSでミーム化する移動手段として、視覚的なインパクトの強さが共通しています。

「江戸走り」の元ネタについてのよくある質問

よくある質問をまとめました。

「江戸走り」は本当に江戸時代の走り方なの?

「江戸時代の人が皆この走り方をしていた」と断言できるわけではありませんが、当時の文献や浮世絵を参考に、真剣に研究・再現された走り方であることは確かです。

「江戸走り」の研究者である大場香門さんは、10年以上の時間をかけて、国立国会図書館などで古い文献を調べました。

その中で、「神足歩行術」という、現代とは違う独自の身体技法が使われていたという証拠を見つけ出しました。

また、浮世絵に描かれている武士や町人の姿勢が、現代の走り方とは大きく異なり、体を半身にして腕を横に広げたような独特のフォームであることも確認しています。

つまり、「江戸走り」は、大場さんがこれらの歴史的な資料を基に、「江戸時代の飛脚や武士が、疲労を少なくして長距離を速く移動するために使っていたであろう技術」を現代に蘇らせたものなのです。

そのため、単なるネタではなく、深い歴史的背景を持つ走り方として、多くの人々の関心を集めています。

現代の走り方より本当に速いの?

短距離走で勝負すれば、現代の走り方(西洋式のフォアフット走法など)の方が速い可能性が高いです。

しかし、「江戸走り」は速さよりも「疲れにくさ」と「長距離での持続力」に特化した走法だと考えられています。

江戸時代、飛脚は一日で100kmから200kmもの距離を走っていたと言われています。

これは、現代のランナーでも非常に難しい驚異的な距離です。

彼らがこの距離を走破できたのは、筋力に頼る現代の走り方ではなく、重力の力をうまく使い、体をリラックスさせて転び続けるような感覚で走る「江戸走り」の技術があったからだとされています。

つまり、現代の走り方は「全力で速く」、江戸走りは「楽に、長く、持続的に」走るためのものなのです。

実際にこの走法を実践しているランナーの中には、ハーフマラソンでタイムが向上した人もいるなど、長距離での実用性が注目されています。

「ナンバ歩き」と「江戸走り」は何が違うの?

「ナンバ歩き」は、同じ側の手と足を同時に出す「体の動かし方の原則」を指し、「江戸走り」はその原則を応用して「速く走るための特定のフォーム」だと考えると分かりやすいです。

「ナンバ歩き」は、体のねじれを減らし、体幹を安定させる日本の伝統的な歩行法です。

歩くときに右足と右手を同時に出し、次に左足と左手を同時に出します。一方、「江戸走り」は、このナンバの考え方を基本にしつつ、体を半身にし、腕を横に曲げて広げるという、より特定のフォームを取ります。

この半身の姿勢が、重力を前にかけて、効率的に素早く移動するためのカギになります。

つまり、「ナンバ歩き」がベースとなる動きだとしたら、「江戸走り」は、飛脚が荷物を持ちながらでも長距離を速く移動するために進化させた「ナンバの応用技術」のようなものだと理解しましょう。

どちらも日本の古来の身体技法ですが、江戸走りの方がより動画映えする特徴的なフォームを持っています。

運動音痴でも「江戸走り」はできる?

はい、むしろ「江戸走り」は運動音痴な人や、力を抜いて走るのが苦手な人にこそオススメできると言えます。

現代の走り方は、足をしっかり踏み込み、腕を大きく振るなど、筋力や運動神経に頼る部分が大きいですが、「江戸走り」の基本は「全身の力を抜くこと」と「重力に任せて転び続ける感覚」です。

体が勝手に前に進んでいく感覚をつかむことが重要で、これは力任せに走るよりも、リラックスして姿勢を意識する方がうまくいきます。

TikTokで流行している理由の一つも、その「誰でも簡単に真似できて、すぐに独特な形になれる」というハードルの低さにあります。

もし普通の走り方で膝を痛めやすい人や、走るのが苦手な人がいたら、一度この「江戸走り」に挑戦してみることで、走ることに対する苦手意識がなくなるかもしれません。

「江戸走り界隈」ってどういう意味?

「江戸走り界隈」とは、「江戸走り」というミーム(流行ネタ)を楽しんでいるSNSユーザーのコミュニティを指すスラングです。

TikTokやX(旧Twitter)で、「#江戸走り界隈」というハッシュタグをつけて投稿する人たちが集まることで、この言葉が生まれました。

「界隈(かいわい)」という言葉は、もともと「その辺り」「近所」という意味ですが、SNSでは「同じ趣味や話題で盛り上がる仲間たち」という意味合いで使われます。

例えば、「アニメ好き界隈」「メイク界隈」などと同じ使い方です。

「江戸走り界隈」のメンバーは、真面目に走りの練習をする動画だけでなく、「学校で江戸走りしてみた」「買い物中に急に江戸走りに切り替える」といったネタ動画を投稿し合い、コメント欄で「夜の稽古お疲れ様」「元禄スプリント部、入部希望」といった、この界隈特有の言葉で交流を楽しんでいます。

「江戸走り」の元ネタまとめ

「江戸走り」とは、大場香門さんが10年以上かけて古文献や浮世絵から再現した、江戸時代の武士や飛脚が行っていたとされる、体を半身にして走る独特の身体技法です。

疲労が少なく、長距離を効率よく走れる「神足歩行術」という技術を応用しています。

この真剣な研究が、「見た目のインパクト」と「誰でも簡単に真似できる」という要素によってTikTokで大流行しました。

動画映えするフォームや、『鬼滅の刃』などアニメの走り方との共通点も、若者にバズった大きな理由です。

「#江戸走り界隈」という独自のコミュニティも誕生し、ネタとして楽しみながら、日本の失われた身体文化への関心を高める、現代ならではのミームとなっています。

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